ひらのさんの話

 

 

 

 

 

 

 

ふわっと消えてしまいそうだな、といつも思う。

 

 

 

 

 

 

 

わたしの中のひらのさんに対する一番古い記憶は、たまたま見た松竹座のライブレポ(松竹座かも曖昧)。既にひらのさんは東京にいて、かつて同じグループで活動していた彼が恐らく最後のライブになるだろう、という日だった。

 

 

「一番近くにいて、一番懐いてた紫耀くんが、最後を見届けられていないのがつらすぎる。」

 

 

ひらのさんが彼に懐いていたのは知っていたし、日本語の通訳です!って言われていたのも知っていた。だから、このレポを見た時に胸が苦しくなったのを今でも覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

今の印象は、儚くて強い、夢みたいな人。ちょっとクサい言葉かもしれないけれど、この表現が一番しっくりくる。ひらのさんはジャニオタだけではなく世間的にも知名度が高いと思う。実際に、好きなアイドルを聞かれてキンプリですねと答えると「あ〜、ひらのくんがいるところ!」と言われることが多い。センターに立つ姿は事務所内でも群を抜いてオーラがあるし、歌もダンスも演技もマルチにこなすひらのさんは本人の努力と天性のものが重なってとても器用に見える。ただ、自分のことになるとかなり不器用、というか無頓着なイメージも強い。ひらのさんの自分に対する言葉はいつも自信が無くて、内側の話になると切なさを含んでいる時がある。それが、たまに苦しくて愛らしい。

 

ROTで「よく周りの人が亡くなる」「だからライブの最後には必ず『死ぬなよ』って言うようにしている」そう話す姿はなかなかの衝撃だった。表に立つ人が"死"に関して話すことをあまり見たことがなかったし、こちらが思っている何十倍も重いものをひらのさんは背負っている(しかも無意識のうちに)ことを察した瞬間でもあった。

 

あと、大胆そうに見えて実は警戒心が強く、人見知りというところが意外だった。だって(って言うのも変だけれど)紫の短ラン着てセンターに座っているおとこが大きな音が苦手で人が集まるところも得意ではない、ってそんなことある?りせんすで短ランへの拘りを見せてきた時は「この人、先輩から譲り受けて短ラン着てたわけじゃないんだな・・・」って中学生の初恋みたいなときめきが胸に起きた。ずるい。何の雑誌かは忘れたけれど、警戒心が強いことを自分で認めていて「俺ってかなりめんどくさい性格してるから、」と話していた気がする。ひらのさんはこう言うけれど、我々オタクからするとその警戒心はめちゃくちゃありがたいんですよ・・・ともなった。元ヤン(仮)のひらのさんの漢エピ(MTとATの話、かいちゃんを変な男性から守った話とか)ときゅるきゅるひらのさんのエピ(横浜流星さんへのド深夜激重LINEとか)はもちろん大好物なんだけれど、自分の友達が他の人と話しているとムッとしてしまうところ(友達って言ってもれんれん)が個人的に白米めちゃくちゃ食べられるな、という最高質のエピだった。

 

 

 

 

 

 

 

ここからはオタクのひとりごと、しかも他担の発言になるが故に嫌な気持ちになる人もいるかもしれない。先に謝っておきます、ごめんなさい。

 

 

ここ最近のひらのさんは、今まで以上に儚さを纏うようになった。メンバーといてもどこか遠くを見ている時があるし、ジャニフェスやカウコンでも笑顔が少なかったようにも思う。恐らくキンプリを生で見るのは初見であろう他グルのオタクも「ひらのしょうが美しくて消えそうな雰囲気だった」「ひらのくんの儚い印象にどこか不安を覚える」とツイートしているのを見かけて、第三者から見てもそこまでなのか、と心のグレーな部分が形づいた気がした。もちろんただ疲れていただけかもしれないし、時間的に眠かっただけかもしれないけれど、ひらのさんにとっての怒涛の夏が終わった時「(マネージャーさんの)車で待機している時、このままどっか行けるんじゃないかなって何度か思った」と話しているのを覚えていたから、ドキッとした。ひらのさんは大事なことを後からサラッと言う人だ。雑誌で「ファンの人に聞いてみたいことは?」という質問に「僕のどこがいいか教えてほしい」と開口一番に答えていたり、自分に対する評価を「自信ないし、一生自分をほめることはないですね」と当たり前のように言うひらのさんは、手を伸ばしても通り抜けてしまいそうなほどふわっとしていて儚い。気づけば一人で前に進んでいそうだし、追いつこうとすると別の道を歩いてたり、掴めない。だから、少し、心配。

 

 

 

 

 

心配だけれど、ひらのさんと一緒にいるのがキンプリで良かったなとすごく思う。関西からずっと近くにいるれんれんに、まっすぐな気持ちを伝えてくれるかいちゃん、趣味が同じで"親友"と呼んでいる神宮寺さんに、誰よりもあたたかくて優しい岸くん。わたしたちがひらのさんに追いついていなくても、彼らはきっと隣にいたり後ろから見守っていたり前から引っ張っていたりするんだろうな。

 

 

ひらのさんが発する言葉は、全部やわらかくてまるい。一人対何百人ではなくて、一人一人への言葉が多くて、助けられた人はいくらでもいると思う。魔法使いみたいに丁寧にカケラを渡してくれるけれど、それがひらのさん自身を削ってできたものではないことを切に願う。

 

 

 

 

 

 

 

お誕生日おめでとうございます。生まれてきてくれてありがとう、生きててくれてありがとう。"紫耀"という名を大事にしてくれてありがとう。儚くて強い、夢みたいなひらのさんが最幸の人生を歩めますように。

 

 

 

 

 

 

 

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